最近ニュースで耳にするのが、日韓関係の悪化で観光客が減り、両国を結ぶ航空路線の便数減少や運賃値下げが相次いでいる、という話です。
それによって日本各地から韓国まで片道1000円という運賃が出てきました。
それならば、韓国に旅行ではなく乗り換えのためだけに行き、そこから別の日本の都市に飛ぶのはどうでしょうか。
例えば、ソウルで乗り換えて沖縄に行く方が、直行便で行くより安いんじゃないか?という素朴な疑問が浮かんだので、実際はどうなのか調べてみました。
本当に1000円?
この破格の運賃を打ち出しているのは韓国のLCC(格安航空会社)です。
韓国から日本への観光客が激減し、スカスカになってしまった分の座席を投げ売りしているわけです。
1000円でもお金を支払って乗ってもらえた方が、空気を運ぶよりマシですからね。
そこで各LCCのホームページを見てみると、確かに1000円という価格を確認することができました。
ただし、この1000円というのはいろいろと条件が付きます。
- 路線や時期、席数限定
- 燃油サーチャージと諸税が別途加算
つまり、路線によっては1000円ではないこと、それに時期や席数を限定して売っているため、タイミングによっては必ずしも1000円で買えるわけではない点に注意が必要です。
それと、1000円は航空運賃のみの価格で、そのほかに燃油サーチャージと税金の類が加算されるため、総支払額はもっと多くなります。
実際の支払額
では、燃油サーチャージや税金類を含めた総支払額はいくらになるのでしょうか。
ちょうどティーウェイ航空が11/4から11/10まで最安1000円で売り出し中なので、成田~ソウル(仁川)とソウル(仁川)~那覇をそれぞれ購入した場合の総支払額を調べてみましょう。
成田~ソウル(仁川)が運賃2000円で総額6360円、
ソウル(仁川)~那覇が運賃1860円で総額5216円でした。
成田~ソウル~那覇は合計で11576円ということですね。
参考までに運賃1000円の関西~ソウル(仁川)は総額5800円です。
空港によって施設利用料が変わるので、那覇より関空の方が高くなってしまうのだと思います。
燃油サーチャージは原油価格によって上下しますが、運賃が1000~2000円でもだいたいの総額は5000~6000円必要になる、ということですね。
その他のデメリット
それ以外にも直行便ではなく韓国経由で行く場合のデメリットを考えてみましょう。
パスポートが必要
トランジットとはいえ韓国に入国するのでパスポートが必要になります。持っていなかったり期限切れの場合は発行の手間とお金が必要になりますね。
手荷物を預けると別料金
LCCは手荷物の制限が大手航空会社より厳しいです。制限を超えると当然有料になります。
東京発は成田空港
東京発の場合は羽田ではなく成田発着になるため、成田近辺にお住まいの方以外は羽田に比べてアクセスの時間とお金が余計に必要になります。
乗り継ぎの時間
当然直行便よりも乗り継ぎの方が時間がかかります。目的地での滞在時間はその分短くなってしまいます。
例として挙げたティーウェイ航空で成田からソウル(仁川)経由で那覇に行く場合、その日のうちに乗り継げる運航スケジュールにはなっていないので、ソウルで1泊するか、他のLCCの便で那覇に行く必要があります。
欠航の可能性
LCCは運航スケジュールや乗員にあまり余裕がないため、大手航空会社と比べてどうしても遅延や欠航の確率が高くなってしまいます。それによって旅行の計画が大きく狂うというリスクが潜んでいます。
まとめ
今回の調査の結果、1区間の航空運賃が1000円~2000円でも、総支払額で考えると、2区間で片道1万円ちょっと必要ということがわかりました。
それならば日本の航空会社の直行便でも格安運賃ならもっと安い場合がありますし、手間やその他のリスクも考慮すると、わざわざ韓国経由で行くのはメリットはほとんどないように思えます。
ただ、韓国旅行が好きな方であれば今の時期安く行くことができてお得、ということですね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。