東京を発ってその日のうちに着けない島、渡名喜の島時間を満喫した旅

今回は2年ほど前に沖縄県の渡名喜島に行った旅の回想です。
東京からその日のうちに着けないとはどういうことなのか、アクセス方法や島の魅力、注意点などを紹介したいと思います。

渡名喜島について

渡名喜島は沖縄県那覇市の北西約60kmにある1周12.5kmほどの小さな島です。

島の集落全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、伝統的な赤瓦屋根の住宅やサンゴの石垣、白砂の道、フクギの防風林などの昔ながらの景観を見ることができます。

これまで私が訪れた沖縄県の離島の中では最も観光地化が進んでいない、静かでのんびりできる島ではないかと思います。

アクセス

空港はなく、沖縄本島からは久米商船のフェリーに乗って2時間前後(使用船舶による)かかります。

那覇の泊港8:30発の1便のみ渡名喜を経由して久米島兼城港まで運航されるため、日帰りはできませんし、朝一番の羽田発の便で那覇空港に着いても間に合いません。

ポイント

4~10月の金曜と、片方の船舶がドック入りする期間のみ午後便も渡名喜に寄港するため、日帰りまたは東京発当日の渡名喜着が可能となります。

赤瓦の古民家に宿泊

今回の宿泊は「赤瓦の宿 ふくぎ屋」さんにお世話になりました。こちらは空き家となった古民家を一棟貸し切りで宿泊できるのです。古民家といっても室内はきれいにリフォームされていて快適でした。

他に一般的な民宿が数軒ありますが、島全体の宿泊キャパシティは僅かで、いずれも事前予約制となっています。

 日帰りを除いて宿の予約をせずに島に行くことはやめましょう。

島に有るものと無いもの

有り

商店
飲料自販機
郵便局
ゆうちょ銀行ATM
診療所
レンタサイクル
公衆Wifi(ターミナル内)

無し

コンビニ
銀行
薬局
 ゆうちょ銀行ATMは日曜休日は稼働していません。
船酔い止めの薬は那覇で往復分調達しましょう。
レンタサイクルは普通のママチャリなので島一周する林道の坂道は厳しいです。
また、林道では携帯の電波が入りづらくなります。

観光

島内にレジャー施設はほとんどありませんが(パークゴルフ場くらい)、集落内や海岸、散策道をのんびりと巡るだけでも十分楽しめました。

海岸沿いの岩壁は迫力がありますし、海面にはよくウミガメを見ることができます(私は見れなかった)。林道を上がると周囲の島まで見渡せる展望台があります。

 島にはハブが多いらしいので、散策道を外れて茂みの中に踏み入るのは避けましょう。

島一周には徒歩で半日も掛かりませんが、結構急な坂道が続く健脚コースです。
夏場は暑さ対策と水分補給が必須です。

 集落を離れると飲料自販機はないのであらかじめ調達しておきましょう。

夜はトップ画像のように白砂の村道をフットライトが照らして幻想的になります。
これは足元を照らし安全性を確保するとともに、灯りが星空の邪魔にならないようになっているので、晴れた日は夜空を見上げてみましょう。
夜は星空観察ツアーのほか、ヤシガニやハブの観察ツアーも実施されているようです。

帰りの船が欠航に

渡名喜の港はちょっと波が高いと接岸できず、久米島には就航できても渡名喜には寄港できない日が結構あります。
特に冬場と台風シーズンは数日間欠航になることもあるようですので、その日絶対に帰らなくてはいけない時には注意が必要です。

毎朝7時過ぎにその日の運航判断が行われ、久米商船のホームページで確認ができるのですが、今回帰る日の便が欠航(久米島〜那覇は運航可能だけれど渡名喜寄港できず)になってしまいました。

その日のうちに那覇経由で帰る予定だったため、唯一の代替手段であるヘリタクシーを利用することにしました。

宿の方に船が欠航になったのでヘリで帰りたい旨を伝えると、あとは全て手配をしていただけました。

複数の離島でリクエストがあった場合などは必ずしも来てくれるとは限らないようですが、この日はOKとなり、時間まで宿の部屋で待機して、その後港近くのヘリポートに移動、手荷物、身体検査後を受けて搭乗するだけです。

揺れて酔うのではないかとを心配でしたが、案外快適で、飛行時間も20分ちょっとで、感覚的にはあっという間に那覇空港に到着しました。

船欠航の場合は補助が適用されるうえ、他にも利用する方がいて定員一杯の5名で利用したため、一人当たりの負担額は7000円弱で済みました。那覇空港到着後に会計するのですが、現金の持ち合わせが無くても、カード決済が可能です。

ポイント

船の欠航によって帰りの飛行機に間に合わなくなる場合は、ターミナルで久米商船に欠航証明を発行して貰ってください。
少なくともJALの場合はこの証明書があれば、変更不可の運賃でも、変更または払い戻し対応をしてもらえます。(詳しい手順などはJALに確認ください)


搭乗したこのヘリは昨年事故で大破してしまったため、現在は別機種での運航となっています。

あとがき

沖縄の離島にはいくつか行きましたが、その中でも渡名喜島のゆったりとした島時間は特に印象に残りました。

アクセスが不便な分、観光地化が進んでいないので、昔ながらの町並みを留めています。
静かな所で何もせずにのんびり過ごすにはこれ以上ない環境ですので、そんな旅をお求めの方にはピッタリの島だと思います。

旅番組でもなかなか取り上げられることのない渡名喜島ですが、2009年公開の映画「群青 愛が沈んだ海の色」の撮影地になっていて、劇中でその美しい風景を見ることができます。

なお、ターミナル内の食堂には主演の長澤まさみさんをはじめとしたキャストの方たちのサイン色紙が飾られていました。

今回はここまでです。最後までお読みいただいてありがとうございました。

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